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名無しのヲタさん
そのまま引っ張られるようにして移動したため、こけないように注意していた俺は拒否の言葉を言う暇もなく、脱衣所まで連れてこられてしまった。 普段からよくこうやって連れてこられているのだが、俺と入ることに対して両親やリデーナたちもま・だ・何も言わないため、ここまで来てしまった以上諦めて一緒に入ることにしている。―ここまできて断って戻るのもなぁ……姉さんが不機嫌になるのも分かってるし……連れてこられる前に断ればいいんだろうけど、まだ引っ張られて歩くとこけそうで話してる余裕ないんだよなぁ……いや? 普段は引くにしてももっとゆっくりだし、アレは姉さんの策略なのでは?そう思いながら、自分で服を脱ぐには時間がかかるため、バンザイのポーズをしてリデーナに脱がせてもらう横で、姉さんは自分で服を脱ぎながら上機嫌なようだ。「えへへ~。久しぶりにカーリーンも一緒ね」――そんな無邪気に喜んでいる顔を見てしまうと、両親たちから止められるようになるまでは断りづらいなぁ……自分が幼いのは自覚してるし散々一緒に入ってきたから今さら裸を見たり見られたりしたところで、姉さんや母さんはもちろん、リデーナにもやましい感情は生まれないし別に一緒に入るのはいいんだけど……「兄さんがなぁ……」「ん? お兄ちゃんがどうかしたの?」「あ、いやぁ……アリーシアさんが来てる間はずっと父さんたちとお風呂に入ってたでしょ? その時に兄さんと目が合うとすぐに視線を逸らされてさっさと上がっちゃうんだよ」「そういえば、お兄ちゃんだけ先に戻ってくることが結構あるわね「うふふ。きっと恥ずかしいのよ。今度からあまり見ないであげてね?」「恥ずかしい……まぁ男同士でも、そういう人もいる「まぁあなたの場合は、多分その見た目でしょうねぇ」「えぇー、そこ?」「ほら、自分で確認してみなさい」肌着になるまでは服を脱いでいた母さんに、タオルを巻きつけられて抱き上げられると、脱衣所の鏡台のところへ連れていかれる。――そういえばここには鏡台があったな。散々似ているって言われて気になってはいたけど、ここには長時間いないから見る暇はなかったんだよなぁ。それに、徐々に言われ慣れてきてて気にすることも減ってたし、最近は