杉本理恵
名無しのヲタさん
67:
名無しのヲタさん
それは、膨大な刻の流れから見るとほんの一瞬であった。
夜空を照らした流星が一瞬、まばゆく輝いてそして軌跡も消えていくのと良く似ている。それを見上げるのは誰だろう・・・それを記憶に留めているのは誰だろう・・・「それ」を見ている「誰か」は、これから先この事を覚えているのだろうか・・・?
自分の見上げている夜空には、間違いなくその空を満遍なく照らす流星が輝いている。それは今。そして、時の流れる先はわからない。
ただ僕は、ずっと見続けていたかった。ずっとずっと見続けていたかった。もし、その目を離した一瞬、その流星が奇跡も無くなってしまっているかと思うと、それは怖かった。せめてその瞬間でも目に出来なかったら、一生悔しがるだろう・・・。
だからずっと、見続けていたかった・・・。
けど・・・
僕は歩かなければならない。その光が消えた後の気持ちは、どうなるかは今は断言できない・・・
ただ、永遠とも思われる夜は、今も続いている・・・。